稗田阿礼

ひえだのあれ

生没年 : 648~?

7世紀半~8世紀初めの舎人。「古事記」編纂者の一人。記憶力はずば抜けており、その聡明さによって、難解な漢字表記も見ればすぐに音読できたという。アクセントも一度聞けば忘れないため、天武天皇は阿礼が28歳の時に『帝皇日家継』や『先代旧辞』を暗唱させたが、天武天皇の死により、これらは完成しなかった。後に元明天皇は阿礼65歳の時、もし阿礼が没すれば古伝が失われることを恐れ、太安万侶に阿礼の記憶を書記させた。これが『古事記』の源流である。大和郡山市稗田の売太神社にまつられており、毎年夏に阿礼祭りが催される。