本居宣長

もとおりのりなが

生没年 : 1730~1801

江戸時代中期の国学者・歌人。伊勢国松坂出身。23才で京都に移り、医学を学ぶかたわら堀景山に儒学を学ぶ。その間、契沖の「百人一首改観抄」の影響を受け、「源氏物語」の研究に取り組む。1757年松坂に戻り小児科医を開業する。医業に携わる一方で国学を研究し、自宅「鈴屋」において源氏物語・万葉集・古今集・新古今集を講じた。1763年松坂で賀茂馬淵と面会し、入門。古事記の研究に一生を捧げ、大著「古事記伝」44巻を著す。日本固有の古代精神の中に真理を探求し、「もののあわれ」を国文学の本質とした。彼の思想は儒学的、仏教的理解を極度に排したため、尊皇思想と結び付き、門人の多くは国粋主義傾向を有し、中には倒幕運動に加わったものもいる。主な著書としては『玉勝間』『秘本玉くしげ』『直毘霊』等があげられる。