世界遺産に登録された奈良県のエリアはどのあたりですか? 役行者(えんのぎょうじゃ)ってどんな人ですか?
「大峯奥駈道」(おおみねおくがけみち)ってどんな道ですか? 修験者たちの修行ってどんなことするの?
霊場「吉野・大峯」(よしの・おおみね)ってどんなところですか? 私たちも体験できますか?
「熊野参詣道小辺路」(くまのさんけいみちこへち)ってどんなところですか? 修験の装束
世界遺産に登録された奈良県のエリアはどのあたりですか?
世界遺産に登録された「紀伊山地の霊場と参詣道」(きいさんちのれいじょうとさんけいみち)は、修験道の「吉野・大峯」(よしのおおみね)、神仏習合の「熊野三山」、真言密教の「高野山」の3つの霊場とそれらを結ぶ参詣道からなります。
奈良県、三重県、和歌山県にまたがり、奈良県には修験道の拠点である霊場「吉野・大峯」、修験道の根本道場といわれる「大峯奥駈道」(おおみねおくがけみち)、高野山から熊野三山へと続く「熊野参詣道小辺路」(くまのさんけいみちこへち)があります。
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「大峯奥駈道」ってどんな道ですか?
役行者(えんのぎょうじゃ)が7世紀後半に開いたとされる修験者の修行の道です。この道では1000年以上もの間、奥駈(おくがけ)といわれる修行が行われています。吉野山を北の起点とし、熊野までの間、山上ヶ岳(さんじょうがたけ)や弥山(みせん)、八経ヶ岳(はっきょうがたけ)など標高2000メートル近い山々の尾根を歩き続ける、最も厳しい修行の場として有名で、玉置神社(たまきじんじゃ)や太古からの原生林が残るところです。
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霊場「吉野・大峯」ってどんなところですか?
7世紀後半に役行者(えんのぎょうじゃ)が開山したと伝えられる、厳しい山岳修行を積んで悟りを開く「修験道」の拠点です。吉野山・金峯山寺(きんぷせんじ)・吉水神社(よしみずじんじゃ)・吉野水分神社(よしのみくまりじんじゃ)・金峯神社(きんぷじんじゃ)・大峯山寺(おおみねさんじ)などゆかりの社寺が点在します。
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「熊野参詣道小辺路」ってどんなところですか?
高野山から熊野本宮を奈良県の野迫川村、十津川村を経て結ぶ最短路だった古道です。道中は1000メートルを超える3つの峠があり、険しくも豊かな自然が今も手つかずのまま残っています。また、峠道などにも石畳の道や石仏が良好な状態で続き、参詣道の中では最も往時を偲ぶことができる道といわれています。
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役行者ってどんな人ですか?
634年、奈良県と大阪府の県境にある葛城山のふもとで生誕。名を小角(おづぬ)といい、幼少の頃から博学で知られ、葛城山で修行を重ね、若くして優れた呪術者として名をはせました。苦行の末、金峯山で信心が通じて悟りを開き、蔵王権現の姿を桜の木に刻んで、金峯山寺の本尊とし、修験道の基礎を開いた、とされています。晩年、諸国を巡り、山を開いたと伝えられています。
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修験者たちの修行ってどんなことするの?
修験者たちは幾日もの間、早朝より深夜まで谷をわたり、崖をよじ登り、歩き続けるなど命がけの修行をし、自然の中に潜む神秘的な力を得ようと修練します。中でも、1本の命綱を身体にくくりつけ、数百メートルの高さの断崖絶壁に身を乗り出すという西の覗(のぞき)の行場は有名。
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私たちも体験できますか?
できます。金峯山寺では、5月から10月までの毎月1回、一般の方を対象に大峯修行体験を行っています。5月から8月は男性のみを募集し、大峯山に修行、9月、10月は女性の参加も受け付けており、大天井ヶ岳をまわる修行を行います。いずれの修行にも、金峯山寺の大峯百日回峰修行者が先達(せんだつ)として同行します。
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修験の装束
①頭襟(ときん)
山中を歩く際、岩や枝、悪霊などから身を守るためにかぶります。太陽神でもある大日如来という仏さまの冠をかたどったもので、生きるものは何度も生まれ変わるという“いのちの法則”の中で、人が避けることのできない因果関係を表す12のヒダがついています。
②篠懸(すずかけ)
深い山中で、冷たい露から身を守るとともに、鈴とその音色から、守り神である大日如来をいつも身に感じ、仏さまの教えに耳をかたむけるという意味があります。
③結袈裟(ゆいげさ)
修験の装束独自のもので、6つの丸い房は、仏になろうと修行する者たちが行なう6つの修行を表しています。
④法螺(ほら)
おなじみのほら貝は、てっぺんに穴をあけ、金属のマウスピースをつけて吹きます。山中での修験者同士の合図や獣よけにも役立ちます。
⑤最多角念珠(いらたかねんじゅ)
角のある数珠で、こすり合わせるとカリカリと高い音がします。修験者たちは、この音で“こころの迷い”を打ち砕きます。
⑥錫杖(しゃくじょう)
杖の上には、いくつもの金属製の輪がかかり、お経を唱えるときに振り鳴らしてリズムをとったり、虫を払いのけたりする時に使います。
⑦螺緒(かいのお)
組み紐でできているため丈夫で、ザイル(命綱)としても使います。人はみな親から生まれた時から仏の命が宿っているという意味から、腰あたりに巻きつけます。
⑧手甲(てっこう)
手の甲を覆い、手を守ります。
⑨引敷(ひっしき)
山中のどこでも腰掛けられるように、鹿やうさぎの皮でお尻を覆います。獣の上に座ることは、“とらわれのこころ”を克服した姿を表します。
⑩脚絆(きゃはん)
足首から、ふくらはぎあたりを巻き足元を軽くすることで、険しい道でも歩きやすくするサポーターのような役目をします。
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