奈良の近代遺産 大和の廃線巡り page 11/11
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大阪から信貴山への参詣ルートの一つに、高安山を経由するルートがあります。八尾市の信貴山口から高安山を経て信貴山門へ至る鋼索線(現・近鉄西信貴鋼索線)と山上鉄道線は、昭和5(1930)年12月15日に信貴山電鉄....
大阪から信貴山への参詣ルートの一つに、高安山を経由するルートがあります。八尾市の信貴山口から高安山を経て信貴山門へ至る鋼索線(現・近鉄西信貴鋼索線)と山上鉄道線は、昭和5(1930)年12月15日に信貴山電鉄により開業しました。翌年、信貴山急行電鉄に社名を変更、昭和19(1944)年には近鉄の前身である関西急行鉄道が合併をしました。高安山駅プラットホーム跡昭和19年1月7日、?要?急路線として鋼索線、山上鉄道線ともに営業を休止します。昭和32(1957)年3月21日に鋼索線は営業を再開しますが、山上鉄道線はそのまま廃止となり、路線跡は生駒山と信貴山を結ぶ信貴生駒スカイラインに転用されました。山上鉄道線の遺構としては高安山駅前広場の一角にプラットホームが、また信貴生駒スカイライン信貴山料金所の手前にトンネルがそれぞれ遺っています。信貴山側の終点は現在の信貴山門バス停あたりにあったようです。日本最古の現存する「上路カンチレバー橋」国の有形登録文化財開運橋信貴山門前の大門池に架かる全長106mの鋼製橋で、親柱には「昭和六年十二月竣工」と刻まれています。橋の形式は「上路カンチレバー橋」といい、他の例として長野県小諸市の千曲川に架かる昭和7(1932)年完成の「中津橋」があります。戦前の上路カンチレバー橋はほとんど例が無く、同形式としては最古の現存例で、平成19(2007)年7月に国の有形登録文化財になりました。竣工の前年、昭和5(1930)年に信貴山電鉄の鋼索線と山上鉄道線が開業しており、いわゆる西ルートで信貴山上まで来た参拝者は山上鉄道線の「信貴山門」駅を降りると、大門池の畔を巡り信貴山寺へと向かっていました。この橋は西ルートの開通により増加したであろうと思われる参拝者のため、短絡ルートとして急遽架けられたものなのです。11