
奈良の国宝20選 早わかりガイド
豊かな奈良の歴史資源
世界遺産でも注目されている
かつては日本の政治・経済・文化の中心であり、「藤原京」から「平城京」へと日本で初めての本格的な都が営まれ、その後も豊かな歴史をつないできた奈良県。貴重な歴史文化資源が県内各地に数多く分布し、国宝・重要文化財を合わせた件数は1,335件にのぼり、全国3位にあたります。中でも国宝のうち、「彫刻」と「建造物」の件数は全国1位を誇っています。
さらに世界遺産でも奈良県は国際的に注目されています。日本全国の登録件数26(2024年現在)のうち、3件が奈良県に位置。「法隆寺地域の仏教建造物」「古都奈良の文化財」「紀伊山地の霊場と参詣道」が登録されています。また、「飛鳥・藤原の宮都」も早期の世界遺産登録が期待されています。

文化的・学術的に価値が高い
受け継がれた「こころ」も感じよう
1950年に施行された文化財保護法に基づき、絵画・彫刻・工芸品・考古資料・建造物などの文化財の中から、芸術上・学術上などの見地から特に価値が高いと指定された「重要文化財」のうち、世界文化の見地から価値が高く、国民の宝として文部科学大臣が指定したものを「国宝」といいます。
時代を超えて先人たちから伝えられた祈りや、この国の文化を継承してきた人々の心もまた、かけがえのない「宝」です。教科書や修学旅行、遠足などで見たことがある奈良の国宝たちも、大人になってから訪ねると新しい発見があるかもしれません。奈良の国宝めぐりデジタルスタンプラリーで、日本のこころを再発見してみませんか。

●お出かけの際は事前に最新情報をご確認ください。拝観料、その他詳細は各社寺にお問い合わせください。(掲載内容は2025年3月現在のものです)
●このウェブサイトでご紹介した国宝指定の絵画・彫刻・工芸品は、寄託や貸出、修復などによって所有者のもとに安置されていないものがあります。また、所有者の元に安置されていても、秘仏などとして常時拝観できない仏像や彫刻、絵画、工芸品もあります。名称や説明文については、一部わかりやすい表記に改めています。
監修

奈良国立博物館
絵画・彫刻・工芸品
1895(明治28)年4月29日に帝国奈良博物館として開館。東大寺、興福寺、春日大社などに囲まれた奈良公園の一角に位置し、特に仏教と関わりの深い古美術品や考古遺品などの文化財の保存、調査、研究を行っています。2025(令和7)年で130周年を迎え、これまでで最大規模となる「超 国宝―祈りのかがやき―」が4月19日(土)~6月15日(日)に開催されます。

三浦 正幸 氏
建造物
広島大学名誉教授。専門は日本建築史、城郭史、文化財学。神社、寺院、城郭、茶室、民家の歴史や構造などを文化・理科の両分野から研究している。NHK2025年大河ドラマ「べらぼう」の建築考証を担当。「図説 近世城郭の普請 石垣編」(原書房、2024年)など著書多数。
1300年以上の時を
見守る塔と仏像たち



世界最古の木造建築
地下と天を貫く厚い信仰
世界最古の木造建築群として日本で初めてユネスコ世界遺産に登録された法隆寺。五重塔は古代の構造を残し、屋根の先端に伸びる相輪は古代インドの墳墓、木造部分は中国大陸の仏塔が由来とされています。地下に埋められた舎利(釈迦の遺骨)が、中心を貫く心柱で相輪と結ばれ、当時の人たちの厚い信仰が伝わってきます。




前からも横からも
美しい立ち姿と豪華な宝冠
横から見ると緩やかなS字を描き、すらりと背が高い独特のプロポーションを持つ飛鳥時代を代表する仏像です。色々な時代の要素が融合しており、なぜこの大きなサイズ感なのか記録がないミステリアスな像です。優しくほほ笑みかける柔和な尊顔が華麗な光背に映え、見る人の心を引き付ける法隆寺を代表する仏像です。

法隆寺
607(推古15)年、聖徳太子と推古天皇が建立したと伝わる寺院です。世界最古の木造建築「金堂」をはじめ、約150棟の貴重な仏教建造物群が点在します。日本の世界遺産第1号として、「法隆寺地域の仏教建造物」が1993(平成5)年に登録されました。
◉生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1◉拝観時間:8:00~17:00(11/4~2/21は16:30まで)◉拝観料:大人・大学・高校生2,000円、中学生1,700円、小学生1,000円◉JR「法隆寺」駅から徒歩約20分 公式サイト



「斑鳩三塔」の一つ
絶妙のバランス感覚に安らぎ
日本最古の三重塔です。法隆寺五重塔、昭和時代に落雷で焼失し再建された法輪寺三重塔(旧国宝)とともに「斑鳩三塔」と呼ばれます。三塔が壮観に並び立つのは、この地に聖徳太子が斑鳩宮を造営したから。太子に対して、後世の人々が強い敬意を持ち続けたことがわかります。三重屋根がバランスよく配置され、心が落ち着きます。

法起寺
638(舒明10)年創建。聖徳太子ゆかりの岡本宮を太子の遺命で、その子、山背大兄王が寺にしたとされます。七堂伽藍の大寺院でしたが、当時の建物で現存するのは三重塔だけとなりました。現在の講堂などは江戸時代の再建です。
◉生駒郡斑鳩町岡本1873◉拝観時間:8:30~17:00(11/4~2/21は16:30まで)◉拝観料:大人・大学生・高校生500円、中学生400円、小学生300円◉近鉄「郡山」駅から。法起寺経由法隆寺前行きバス「法起寺」下車すぐ。JR・近鉄「王寺」駅から奈良行きバス「法起寺口」下車、徒歩10分。 公式サイト
ほほ笑みと多彩な
表現で心をつかむ




優しく力強く
私たちの救済を考えている
柔和なほほ笑みやリズム感のある衣文による優しい雰囲気と、肩幅の広い均整のとれた体つきが力強い雰囲気を併せ持つ像です。現在は漆黒の姿ですが、造立当時は彩色が施され、目や髭が描かれていました。お釈迦さまが出家する前に悩んでいた姿が起源。祈りの仏として、私たちをどのように救おうか思いにふける(思惟)姿です。

中宮寺
聖徳太子が母、穴穂部間人皇后のために建てた御所跡を寺にしたと伝わる創建以来の尼寺です。大和三門跡寺院の一つにあげられており、聖徳太子の母への深い愛情と、周囲の聖徳太子への厚い崇敬を今に伝えています。
◉生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2◉拝観時間:9:00~16:30(10/1~3/20 16:00まで)◉拝観料:大人(中学生以上)600円、小学生300円◉JR「法隆寺」駅から徒歩約20分 公式サイト




信貴山朝護孫子寺
587年に聖徳太子によって創建。平安時代以降は武人の信仰を集めていました。境内で目にする張り子のトラは寺の守護神でありシンボル。広い境内には本堂、護摩堂、三重塔など数10棟の堂宇が立ち並んでいます。信貴山縁起絵巻は四大国宝絵巻の一つです。
◉生駒郡平群町信貴山2280-1◉拝観時間:9:00~17:00◉拝観料:霊宝館:大人・大学生・高校生300円、中学生・小学生:200円。戒壇巡り:200円◉JR・近鉄「王寺」駅から奈良交通バス「信貴大橋」下車、徒歩で約5分 公式サイト



極楽往生への熱い思い
中世密教本堂のプロトタイプ
29歳で生身のまま極楽往生したと伝わる奈良時代の女性「中将姫」。彼女が一夜にして織りあげた「綴織當麻曼荼羅」(国宝)を秘仏本尊としてまつるのが曼荼羅堂です。内陣(正堂)は奈良時代の建築で、平安末期に拝む場所の外陣(礼堂)が追加され、鎌倉時代にさらに改築されました。中世の仏堂の進化の原型といえます。

當麻寺
聖徳太子の弟、麻呂子親王によって河内国山田郷に創建。奈良時代中期には東塔が、続いて西塔が平安時代に完成したといわれています。両塔が現存するのは国内唯一で、金堂・講堂と共に古代寺院の双塔式伽藍の景観を形成し、貴重な歴史文化資源です。
◉葛城市當麻1263◉拝観時間:9:00~17:00◉拝観料:大人1,000円、小学生:500円(曼荼羅堂にて伽藍三堂の受付)◉近鉄「当麻寺」駅から徒歩で約15分 公式サイト
奈良の地で人々は
何を願ったのだろう



自然の中の神様に祈る
古式伝える現存最古の拝殿
自然の中に宿る神様を崇拝する趣旨から、神社の多くは当初は拝殿を持ちませんでした。石上神宮に拝殿が造られたのは平安時代後期、白河天皇が寄進したと伝わります。現存する日本の神社の拝殿では最古。後方に神聖な霊域「禁足地」と明治期に禁足地から出土した神剣を祀る本殿があります。日本書紀に記述のある「七支刀」(国宝)も伝来しています。
石上神宮
日本最古の神社の一つ。健康長寿・病気平癒・除災招福・百事成就の守護神として信仰されてきました。重要文化財の楼門、国宝の摂社出雲建雄神社拝殿も建ち、国宝の七支刀のほか、鉄盾、色々威腹巻など重要文化財も伝わります。
◉天理市布留町384◉参拝時間:5:30~17:30(楼門内での参拝時間)
◉JR・近鉄「天理」駅から徒歩で約30分 公式サイト



観音様に由来する「懸造り」
複雑に組み合わさる建築美
小初瀬山の中腹の斜面に張り出すような「懸造り」で建てられている本堂。今昔物語集の記述によると、徳道という僧が727年にこの地で十一面観音像を完成させた際、夢に神様が現れ、「北の山の下の大岩を掘り出したその上に像を安置せよ」とお告げがあったことに由来しています。正堂と礼堂の二つの建物が複雑に組み合わさり、見る角度によって変わる建築美も長谷寺の魅力の一つです。

長谷寺
真言宗豊山派総本山。仁王門から本堂へ続く登廊が印象的です。本堂の舞台から門前町や与喜山の原生林の眺めは絶景。「花の御寺」とも称されていて、桜、牡丹、あじさい、紅葉、寒中に咲く牡丹など四季折々の花が楽しめます。
◉桜井市初瀬731-1◉拝観時間:8:30~17:00(4月~9月)、9:00~17:00(10月~11月、3月)、9:00~16:30(12月~2月)※ぼたんまつり期間等時間変更あり◉拝観料:大人・中学生・高校生:500円、小学生:250円◉近鉄「長谷寺」駅から徒歩で約15分 公式サイト



豊臣氏ゆかりの大迫力
日本最大の秘仏御本尊を守る
日本最大の秘仏御本尊「金剛蔵王大権現」を安置する蔵王堂(本堂)は、豊臣秀吉の弟・秀長が伽藍建立のための諸国勧進を認可したとの記録が示すように、秀吉を含む豊臣氏が全面的に支援したと考えられています。高さ約34mにもおよぶ巨大な蔵王堂は多様な木材が使われているのも特徴で、その大きなスケール感が当時の豊臣氏の威光と信仰に対する厚い思いを今に伝えています。
金峯山寺
吉野山のシンボルであり、役行者が開いた修験道の根本道場でもあります。高台にそびえたつ蔵王堂は東大寺大仏殿に次ぐ木造の大建築で、秘仏御本尊の蔵王権現像(重要文化財)3体が安置され、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています。
◉吉野郡吉野町吉野山2498◉拝観時間:8:30~16:00◉拝観料:通常時は大人800円、中高校生600円、小学生400円。秘仏御本尊特別御開帳時(令和7年3/28〈金〉~5/6〈火・祝〉)は大人1,600円、中高校生1,200円、小学生800円◉近鉄「吉野」駅からロープウェイ「山上」駅下車、徒歩で約10分 公式サイト



これぞ奈良時代の美しさ
唯一残る極彩色の天平仏画
八角形のお堂(八角円堂)は藤原南家の祖で奈良時代の立役者の一人、藤原武智麻呂を供養するために建立されました。注目は、堂内部の4本の柱や天蓋に描かれた極彩色の仏様や天女といった天平仏画の数々。奈良時代の仏堂の多くには極彩色の仏画が描かれましたが、当時の絵と色彩が実際に残る希少な仏堂です。
榮山寺
719年に藤原不比等の長男・藤原武智麻呂が菩提寺として創建したと伝えられています。本堂には、薬師如来坐像(重要文化財)が祀られており、本堂に向かって右手には八角円堂(国宝)が建っています。内陣の天平仏画が残る国宝八角円堂は法隆寺夢殿と並ぶ貴重な遺構です。
◉五條市小島町503◉拝観時間:9:00~16:00※八角円堂内陣特別拝観期間は9:30~15:30(4月25日~5月最終日曜日、10月25日~11月最終日曜日)◉入山料:大人・高校生500円、小中学生無料。八角円堂内陣特別拝観料700円(ご開帳期間のみ)◉JR「五条」駅から徒歩で約25分 公式サイト
信仰への熱い思いを
今に受け継ぐ



美しいさざ波の衣
穏やかな表情と強い意志
穏やかな表情にどっしりとした重量感と安定感。それと対比して、丸い波と角の波を交互に彫った衣のひだの軽やかな美しさが際立ちます。手の水かき(縵網相)には、すべての人々をもれなく救済する意味があり、古い像を意識して制作されました。写真家・土門拳が特に魅せられ、横顔を撮影した写真が有名です。



山合いにたたずむ造形美
優しさと力強さを体感
屋外に立つ五重塔の中では国内最小であり、日本で2番目に古い塔です。寒冷な高地にあるため、屋根は瓦葺きでなく檜皮葺きになっていて、柔らかい造形美が多くの人を引き付けます。1階部分にも注目を。かわいらしい塔の姿からは想像もつかないほど、屋根を支える組み物が非常に大きく造られており、力強くて迫力満点です。

室生寺
奈良時代末に興福寺の僧賢憬(賢璟)が創建。江戸時代に5代将軍徳川綱吉の生母・桂昌院の庇護を受け再興されました。女人禁制だった高野山金剛峰寺に対し、室生寺は女性の参詣を許可したため、「女人高野」と呼ばれるようになりました。
◉宇陀市室生78◉拝観時間:8:30~17:00(12/1~3/31は9:00~16:00)、寳物殿は9:00~16:30(同9:30~15:30)◉拝観料:大人:600円、子供:400円。寳物殿は別途400円◉近鉄「室生口大野」駅から奈良交通バス「室生寺前」下車、徒歩約5分。 公式サイト




社殿5棟が並ぶ壮観な眺め
この地域ならではの工芸美
水の配分を司る神を祀る水分神社。社殿5棟が一列に立ち並ぶ姿は壮観で、中でも本殿3棟は、鎌倉時代から始まった新型の「一間社隅木入春日造」が大きな特徴。隣り合う屋根傾斜面の交わる部分に取付ける隅木は、奈良盆地の南端から和歌山にかけて、水分神社と熊野神社などで見られます。
宇太水分神社
崇神天皇の時代の創建とされ、鎌倉時代に建てられた本殿(国宝)には一間社隅木入春日造の3棟が並びます。周囲には源頼朝が幼少期に苗を植えたとされる杉が立ち、服薬の時にその水を用いると良いと伝われる「薬の井」が境内に湧きます。
◉宇陀市菟田野古市場245◉拝観自由◉瑞垣内特別拝観を随時実施(できれば予約を)。個人500円◉近鉄「榛原」駅から、奈良交通バス「古市場水分神社前」下車、徒歩約5分 公式サイト



装飾部材の「カエル」に注目
最古の春日造は双子なのに少し違う
双子のように並び立つ鎮守社の「春日堂」「白山堂」。現存する春日造の建物では国内最古とされています。日本の古い建築物は並び立つ際、細部を変える特徴があり、屋根正面の梁に取り付けた蟇股の形が少し違います。カエルの両足に似た装飾を1本の木から作るようになった日本初のものです。
円成寺
奈良市街と柳生のほぼ中間に立地。室町時代再建の本堂、楼門(いずれも重要文化財)などが立っています。寺宝の数も多く、大日如来像(国宝)は運慶の20歳代の傑作として有名。国の名勝に指定されている境内の庭園も藤原時代の好みを今に伝えます。
◉奈良市忍辱山町1273◉拝観時間:9:00~17:00◉拝観料:大人500円、中・高校生400円、小学生100円◉JR・近鉄「奈良」駅から奈良交通バス「忍辱山」下車すぐ 公式サイト

都の栄華を伝える
知られざる国宝たち


中興の祖 叡尊上人が造立
美しく荘厳な舎利美術の傑作
かつて西大寺にそびえた五重塔に安置されていた高さ91㎝の宝塔です。四方に扉があり、初層には金銅如意宝珠、二層目に舎利をこめた水晶五輪塔を安置しています。弱者を救う慈善活動に力を入れ、西大寺中興の祖として知られる叡尊上人が1270(文永7)年、舎利を納めるために造立しました。荘厳な鎌倉時代美術の傑作の一つで、境内の聚宝館では他にも様々な寺宝を見学できます。

西大寺
764年に孝謙上皇が発願し、翌年に重祚した称徳天皇が創建。当時は広大な寺域に、南北の二金堂を中心に東西には五重塔が並び立つ壮麗な伽藍がありました。鎌倉時代に僧侶・叡尊が授戒を中心とした宗教活動によって中興を成し遂げました。
◉奈良市西大寺芝町1-1-5◉拝観時間:8:30~16:30 ※聚宝館は年3回開館(1/15~2/4、4/20~5/10、10/25~11/15)◉拝観料:本堂・四王堂・愛染堂の三堂共通拝観は一般800円、中・高校生600円、小学生400円。聚宝館は別途300円(年間3回開館)◉近鉄「大和西大寺」駅から徒歩約3分 公式サイト



上下で異なる造り方
アンバランスもまた魅力に
一見すると2階建てに見えますが、上階には入れない構造で屋根が一つの門を楼門と呼びます。般若寺の楼門は楼門建築の現存最古の例。後世の楼門は上下とも総円柱で間口は三間ですが、この楼門は2階が円柱で三間、1階が間口一間で前後の柱が角柱というアンバランスな点がまた魅力的な景観を生み出しています。
般若寺
飛鳥時代に高句麗の慧灌法師によって開かれました。その後、735年の聖武天皇の時に、平城京の鬼門鎮護のため堂塔が造営されたと伝えられています。初夏のアジサイのほか、秋には境内にコスモスが咲くことから「コスモス寺」としても有名です。
◉奈良市般若寺町221◉拝観時間:9:00~17:00(1月~2月、7月~8月、12月は16:00まで)◉拝観料:大人500円、中・高校生200円、小学生100円。アジサイ、コスモスの2期に花期特別拝観料金あり。大人700円、中・高校生300円、小学生200円◉JR・近鉄「奈良」駅から奈良交通バス「般若寺」から徒歩で約3分。 公式サイト



日本に戒律を伝えた高僧・鑑真
苦難の渡海を助けた亀の存在
僧侶が守るべき戒律(規範)を日本へもたらした唐の高僧・鑑真が伝えた舎利(釈迦の遺骨)をまつる容器。舎利は最重要なものであるため、唐招提寺の心臓ともいえる貴重な宝物です。宝塔が亀の上に乗っているのは、鑑真の苦難の渡航中に海に落ちた仏舎利を拾った亀(金亀/実は龍神様)の説話にちなんでいます。

ビジターズビューロー
唐招提寺
唐の高僧・鑑真和上が聖武天皇に招かれ、6度にも及ぶ苦難の末に来日を果たしたのち、759年に創建。境内には金堂、講堂、校倉(2棟)、鼓楼(いずれも国宝)をはじめとする伽藍が立ち並び、創建時の姿をうかがい知ることができます。
◉奈良市五条町13-46◉拝観時間:8:30~17:00◉拝観料:大人・大学生1,000円、中・高校生400円、小学生200円。※特別展は上記拝観料のほかに別途料金が必要◉近鉄「西ノ京」駅から徒歩約10分 公式サイト



内陣と外陣が合体
建築様式の「ブレンド美」
本尊を安置する「内陣」と参拝者が拝む外側の「外陣」が完全に一体化した鎌倉時代の密教本堂の代表例です。平安時代以来の日本の伝統的な建築様式に、鎌倉時代に中国大陸から伝わった新建築様式の要素を組み合わせた美しいたたずまい。明るい外陣から暗い内陣の本尊の前に進むと、昔の人々が感じた神秘性が伝わってきます。
長弓寺
アジサイの見所として有名。諸説ありますが、寺蔵の書物では聖武天皇の勅願により行基が開創したとされています。生駒市内の建造物で唯一の国宝に指定されている本堂には、木造の十一面観音立像(重要文化財)が安置されています。
◉生駒市上町4446◉拝観時間:9:00~16:00◉本堂拝観:500円(要予約)◉近鉄「学研北生駒」駅から徒歩で約17分。近鉄「富雄」駅から奈良交通バス「生駒上町」下車、徒歩約5分 公式サイト
往時のこころを
生き生きと映し出す



唐の時代の最新ファッション!?
美しい色彩が残る天平美人
五穀豊穣の女神・吉祥天が珍しい麻布に描かれています。服の文様からは、当時の唐の時代に流行した最先端のファッションが分かるほど。美しい色彩が残る天平美人の代表格で奈良時代の絵画作例として貴重です。「吉祥天像」は薬師寺を守護する鎮守社「休ヶ岡八幡宮」に伝来しました。

薬師寺
天武天皇が皇后(のちの持統天皇)の病気平癒を願い発願。718年、藤原京から現在地に移築されたと伝わります。東塔は創建当時の唯一の遺構で2023年に約110年ぶりの大修理を終了。金堂、西塔などが次々と再建され、美しい白鳳伽藍を今に伝えています。
◉奈良市西ノ京町457◉拝観時間:9:00~17:00◉拝観料:大人1,000円、中・高校生:600円、小学生:200円(拝観可能場所は金堂、大講堂、東院堂)◉近鉄「西ノ京」駅から徒歩約1分 公式サイト




3幅の巨大な絹に極楽浄土への
お迎えの姿を描く
阿弥陀如が菩薩たちを従え、亡くなった人を極楽浄土へと迎えに来た姿が3幅の巨大な絹に描かれています。菩薩が持つ天蓋付きの金色の蓮台は、亡くなった人の魂が乗るもので現代でいえば高級リムジンカー。幡を持つ童子は極楽へと導くガイド役。聖武天皇の妻・光明皇后が亡くなる際の枕仏だったと伝承があります。

法華寺
聖武天皇の皇后である光明皇后の発願により、総国分尼寺として建立。光明皇后の父・藤原不比等の邸宅跡に建ちます。豊臣秀頼、淀君によって、1601年に本堂・南門・鐘楼が再建されました。本坊の庭園は名園として有名です。
◉奈良市法華寺町882◉拝観時間:9:00~16:30◉拝観料:大人700円、小・中学生350円。特別公開期間は拝観料を変更◉近鉄「新大宮」駅から徒歩約20分。近鉄「大和西大寺」駅またはJR・近鉄「奈良」駅からバスあり 公式サイト
