もっと奈良を楽しむ

河瀨直美監督
映画ロケ地めぐり

原点を探して

映画作家・河瀨直美が生まれ育ち、今も映画創りの拠点としている「奈良」。世界的に活躍する監督の原点である奈良を舞台とした映画のロケ地をめぐれば、雄大な自然と人々の営みが息づく奈良の奥深さに触れることができる。日本文化の”はじまりの地“である奈良で静かな時間を過ごしてみませんか。


奈良市街地

沙羅双樹(しゃらそうじゅ)

五條市~天川村

萌の朱雀(もえのすざく)

奈良市田原地区

殯の森(もがりのもり)

PROFILE

河瀨 直美

生まれ育った奈良を拠点に
映画を創り続ける映画作家。

一貫した「リアリティ」の追求はドキュメンタリーフィクションの域を越えて、カンヌ映画祭をはじめ、世界各国の映画祭での受賞多数。世界に表現活動の場を広げながらも故郷奈良にて、2010年から「なら国際映画祭」を立ち上げ、後進の育成にも力を入れる。2021年よりユネスコ親善大使、2025年大阪・関西万博のプロデューサー兼シニアアドバイザー。

河瀨直美監督公式サイト

1997年製作 95分

萌の朱雀(もえのすざく)

監督・脚本 河瀨直美

出演者國村隼  尾野真千子 和泉幸子 柴田浩太郎
神村泰代 向平和文  山口沙弥加

作品紹介1997年カンヌ国際映画祭カメラ・ド-ルに輝いた、河瀨直美監督の劇場デビュー作。過疎化が進む奈良県西吉野村を舞台に、鉄道トンネル工事中断を引き金に離散する家族の哀しみと想いを描く。ドキュメンタリー映画出身である監督の作りすぎない演出が印象的。ヒロインに抜擢された尾野真千子のデビュー作。
©1996 WOWOW/バンダイビジュアル

  • 映画の主な舞台となった
    田原一家が住んでいた家。

    萌の朱雀 撮影地記念碑

    1996年の夏、延べ43日間の撮影が行われた地。急傾斜の曲がりくねった山道を上がるとたどり着く。どこまでも広がる山並みが素晴らしい。

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  • 栄介と泰代が旅館で
    働くシーンを撮影。

    光緑園 西清

    美しい庭園が広がる洞川温泉の旅館。数寄屋風建物の落ち着いた雰囲気が魅力。映画にちなんで名付けられた「萌の湯」というお風呂もある。

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  • 物語の要となった
    幻の五新鉄道が残る。

    五新鉄道跡

    五條・新町通りにある高架橋跡。途中で途切れた橋には解説看板が掲げられ、夢に終わった五新鉄道の歴史を今に伝えている。

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  • ロケ地となった
    平雄地区にあるお寺。

    徳善寺

    山の斜面に広がる集落・平雄地区。敷地内の大きな山桜をはじめ、桜の季節が美しい。映画に描かれた奈良の山奥の雰囲気を堪能できる。

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2003年製作 99分

沙羅双樹(しゃらそうじゅ)

監督・脚本 河瀨直美

出演者福永幸平 兵頭祐香 生瀬勝久
河瀨直美 樋口可南子

作品紹介河瀨直美監督の出身地である奈良市が舞台。ならまちで代々墨職人を受け継いできた麻生家。ある夏の日、双子の兄が“神隠し”にあったように行方不明になってしまう。それから5年後、淡い気持ちを共有する双子の弟・俊と幼馴染みの夕。行き場のない思いを抱える俊と夕、そして家族たちが、前に進もうとする姿を描く。
©Nikkatsu/YTV/RealProduct/Visual Arts College Osaka

  • 躍動感あふれる
    バサラ祭りの開催地。

    三条通り

    映画の中で、夕がダンスに打ち込み、父・卓が実行委員長として活躍するバサラ祭り。実際に1999年から今も三条通りで開催されている夏祭り。

  • 夕と母親の小料理店の
    ロケ地となった店。

    奈良町豆腐庵こんどう

    登録有形文化財に登録された築180年の町家で営まれる豆腐料理店。国産大豆100%の豆腐を使った田楽や湯どうふのランチがオススメ。

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  • 映画の中でも登場した
    身代わり申のゆかりのお堂。

    庚申堂(こうしんどう)

    「庚申さん」こと青面金剛像を祀る。ならまちの家の軒先に吊るされる身代わり申は、庚申さんのお使いの猿を模った魔除けのお守り。

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  • 映画の舞台である
    ならまちを詳しく知る。

    奈良町資料館

    映画の舞台となった奈良町にまつわる資料や仏像などを展示し、ならまちの歴史・文化を伝える。身代わり申のストラップなどお土産も充実。

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2007年製作 97分

殯の森(もがりのもり)

監督・脚本・プロデューサー 河瀨直美

出演者うだしげき 尾野真千子 渡辺真起子
斉藤陽一郎 ますだかなこ

作品紹介2007年カンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別大賞)受賞。殯(もがり)とは、敬う人の死を惜しみ、しのぶ時間のこと。愛する者を失った2人、認知症のしげきと女性介護福祉士・真千子のふれあいを通して人間の生と死を描く。地元の有志が「田原フィルムコミッション」を結成し、出演からサポートまで多くの人々が関わり創り上げられた。
©KUMIE/Celluloid Dreams Production/Visual Arts College Osaka

  • 真千子が自転車で
    通っていた商店街。

    東向北商店街

    近鉄奈良駅①番出口からすぐ、駅の北側に位置する商店街。「きたまち」の玄関口として、きたまちマルシェなどイベントも開催。

  • 2人が導かれていく
    しげきの妻が眠る森。

    春日山原始林

    1100年以上前から、春日大社の聖域として守られてきた世界遺産・特別天然記念物。周回する遊歩道を散策して原始林の雰囲気を堪能。

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  • 映画の冒頭に出てくる
    葬送のシーンを撮影。

    あぜ道

    映画のテーマである「殯」を象徴するように始まる葬送のシーン。田原地区を散策すれば、昔から変わらないのどかな田園風景に出会うことができる。

  • 映画のメインビジュアル
    茶畑があちこちに。

    茶畑

    大和茶の産地として有名な田原地区。のどかな田園風景の中に茶畑がたくさんあり、数々の映画のシーンを思い起こさせる。

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河瀨直美監督
映画ロケ地MAPリーフレット