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葛木坐火雷神社[笛吹神社] かつらきにいますほのいかづちじんじゃ[ふえふきじんじゃ]

俗に笛吹の宮といわれるこの神社は「延喜式」神名帳に葛木坐火雷神社二座とあり、忍海郡の古社。県内にあった古社の中でも官幣大社級。
祭神は火雷神と笛吹連の始祖天香山命。火雷神は火之迦具土神ともいい火の神。天香山命は石凝姥命ともいわれ、天照大神が天の岩戸にかくれたとき、天香山の土を掘って鏡を作り、竹で笛を作って吹き鳴らした、と神話に伝えられている。古代、王朝の笛師をつとめた笛吹連がこの地に居住、天香山命を自家の祖神として祀ったのが始まり。
本殿の北西には横穴式石室に家形石棺を安置した径25mの円墳があり、笛吹連の祖建多折命の墓であろうといわれてる。
その笛吹連の子孫が代々宮司を務めている。

見どころ

  • 波々迦木(ははかのき)

    境内には古来うらないに用いた波々迦木(または波波迦木 ウワミズザクラ)があり、平安朝の末頃より宮中に献納していたと伝わる。※注1
    「奥儀抄」に「笛吹の社より、ははかの木を切りて都に奉りぬれば」とあり、「延喜式」にも「大和の国に、ははかの木を切る封所があり、宮中に献納」と記されている。これが笛吹神社のことであれば、平安朝にすでに神社が存在し宮中との繋がりがあったことがうかがえる。※注2
    その波々迦木は、今も鳥居の奥に見ることができる。

    ※注1 宮中への献納は江戸時代末期まで記録がある。
    ※注2 笛吹連の名を賜ったのは崇神天皇十年で、この時既に祭祀が行われていた。

  • イチイガシ

    昭和61年3月に新庄町の木に制定された「イチイガシ」(ぶな科アカガシ亜属)が群生しており、学術・教育・環境保全の上から極めて重要な樹木として昭和62年3月、奈良県指定天然記念物に指定される。

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