モデルコース
日帰りのコース
『記紀』に記される日本最古の道 山の辺の道
大和平野の東に連なる山々。山の辺の道は、その山裾を縫うように南北に走ります。冒頭の歌は飛鳥時代、大津宮(おおつのみや)遷都のため大和を去る際に、額田王(ぬかたのおおきみ)が詠んだとされる歌。三輪山は古来、神が鎮まると信仰された山で、額田王にとっては大和を象徴する存在だったのでしょう。今回の古道歩きは、この三輪山を祀る大神神社から始めます。すぐ北の狭井(さい)神社、檜原(ひばら)神社は大神神社の摂社。周辺は山の辺の道の中でも、特に古道の雰囲気をよく残しています。
檜原神社からさらに北へ向かうと穴師(あなし)の集落に入り、その先には第10代崇神(すじん)天皇らの御陵があります。国道を挟んだ西側の黒塚古墳からは、卑弥呼の鏡といわれる三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)が33面も出土しました。さらに四季折々の花が美しい長岳寺や内山永久寺(うちやまえいきゅうじ)跡を過ぎると、石上神宮に出ます。古代の軍事氏族・物部(もののべ)氏の氏神を祀る古社で、朝廷の武器庫としての役割も果たしていました。
現在観光客に親しまれる「山の辺の道」はこのあたりまでですが、『日本書紀』には「石(いそ)の上(かみ) 布留(ふる)を過ぎて 薦枕高橋(こもまくらたかはし)過ぎ 物多(ものさは)に 大宅(おおやけ)過ぎ 春日(はるひ) 春日(かすが)を過ぎ 妻隠(つまごも)る 小佐保(をさほ)を過ぎ…」という歌が残っています。恋人を殺された物部氏の娘・影姫(かげひめ)が悲しみを詠んだとされる歌で、姫は布留の地で知らせを受け、山の辺の道を駆けたのでしょう。古代の地名を並べたこの歌が、古道はさらに北へと延びていたことを示しています。
1
大神神社 おおみわじんじゃ

三輪明神ともいわれ、日本最古の神社。この神社に本殿がないのは、後方にそびえる三輪山を御神体としているためで、古代の信仰形態を現在に伝えている。寛文4(1664)年、徳川家綱によって再建された拝殿(重要文化財)奥には、三輪鳥居とも呼ばれている三ツ鳥居(重要文化財)があり、古来より、この鳥居を通して御神体の三輪山が拝まれている。祭神は大物主大神。大和七福神(信貴山朝護孫子寺、久米寺、長谷寺、おふさ観音、談山神社、當麻寺中之坊、安倍文殊院)に大神神社が加わり、大和七福八宝の会を発足。
詳細はこちらDATA
- 桜井市三輪1422
- 0744-42-6633
- 無料 ※宝物収蔵庫は有料(大人300円 高校生以下100円)
- 駐車場はJR踏切より西側の参拝者無料駐車場をご利用ください。
普通車590台(通常無料、正月特別期間 1月1日~1月5日は有料)
バス駐車場有(要問い合わせ) - 最寄り駅からの交通
JR 三輪駅より 徒歩約5分
バリアフリー情報:無し
徒歩 約15分
2
狭井神社 さいじんじゃ
大神神社の摂社。薬井戸の「御神水」は諸病に効くといわれており、持ち帰ることもできる。
この御神水を求めて参拝する人も多い。毎年4月18日に斎行される鎮花祭は2000年の歴史をもつ。
社務所に申し込めば、三輪山に入山することもできる。
DATA
- 桜井市三輪1422(大神神社の境内の内)
- 0744-42-6633(大神神社)
- 自由
- なし
- 無料
- 最寄り駅からの交通
JR 三輪駅 徒歩15分
徒歩 約25分
3
檜原神社 ひばらじんじゃ
山の辺の道沿いにある。大神神社の摂社で、祭神は天照大御神。境内には本殿、拝殿がなく三ツ鳥居(三輪鳥居)を通して御神座を拝す。この周辺は、崇神天皇が皇居に祀られていた天照大神をお遷しし、伊勢神宮鎮座前に大神をお祀りした笠縫邑の伝承地であることから、元伊勢と呼ばれる。境内から眺める二上山は絶景。付近には柿本人麻呂などの歌碑が点在する。
詳細はこちらDATA
- 桜井市三輪1422
- 0744-42-6633
- 9:00~17:00
※冬期(12~2月)8:45~16:00 - なし
- 無料
- 無料駐車場あり
- 最寄り駅からの交通
JR 三輪駅 徒歩30分
徒歩 約25分
4
穴師坐兵主神社 あなしにいますひょうずじんじゃ
「日本書紀」によると、垂仁天皇の御前で當麻蹶速と出雲の野見宿禰が生死をかけて力比べをした場所で、相撲発祥の地とされる。大神神社、大和神社、石上神宮と並ぶ大社であったというが、由来や祭神に関しては不明点が多い。一の鳥居近くに相撲神社がある。現在の神社は、弓月ヶ岳の山頂にあった上社を麓までおろして下社としたといわれる。
DATA
- 桜井市穴師
- 0744-42-6420
- JR・近鉄
桜井駅
天理行バス
相撲神社口下車 歩20分
徒歩 約30分
5
山辺道勾岡上陵(崇神天皇陵) やまのべのみちのまがりのおかのうえのみささぎ(すじんてんのうりょう)
【崇神天皇陵】全長242mの巨大な前方後円墳。崇神天皇の墓とみられる。築造は4世紀後半。第10代の崇神天皇は、大和政権の初代大王ともいわれる人物。見事な陵墓は、相当な権力を握っていたことをうかがわせる。高い堤防の上続く松並木、水に満たされた周濠も美しい。幕末に柳本藩によって潅漑利用も兼ねた大改修が施されており、当初の姿とは異なる。
詳細はこちらDATA
- 天理市柳本町
- 有り
- 最寄り駅からの交通
JR 柳本駅 徒歩10分
近鉄 天理駅 桜井方面行バス「柳本」下車すぐ
徒歩 約10分
6
黒塚古墳 くろづかこふん
全長約130mの前方後円墳。大和古墳群にある。平成9(1997)年8月から発掘調査が開始され、後円部中央の竪穴式石室から、1面の画文帯神獣鏡や33面の三角縁神獣鏡などの副葬品が完全な形で出土した。一つの古墳からの三角縁神獣鏡の出土数としては全国最多である。三角縁神獣鏡は卑弥呼が魏から贈られたとされる「卑弥呼の鏡」と呼ばれるもので、大和の中心部で見つかったのは初めてであるだけに、邪馬台国論争を左右する重要な手がかりになるものとして、注目を集めている。築造は3世紀後半から4世紀前半頃で大和政権の有力人物の墓と推測されている。
詳細はこちらDATA
- 天理市柳本町1118-2
- 国道169号線沿いに有り
- 最寄り駅からの交通
JR 柳本駅 徒歩7分
近鉄 天理駅 桜井行バス「柳本」下車 徒歩3分
徒歩 約15分
7
長岳寺 ちょうがくじ

真:澤 戢三
天長元(824)年、淳和天皇の勅願により、空海が大和神社の神宮寺として開いたといわれる古刹。かつては大寺だったが、兵火と廃仏毀釈により衰微した。平安時代の端正な鐘楼門(重要文化財)は創建当初唯一の遺構で、楼門と鐘楼を兼ねている。また、江戸初期の重要建築物である宝形造の延命殿も現存している。本尊の阿弥陀三尊像(重要文化財)は玉眼を使った仏像としては日本最古のもので、藤原時代末期の作。秋には横11m、縦4mの大地獄絵が開帳される。庫裏(重要文化財)では名物の三輪そうめん(700円)を食べることができる。平戸ツツジの名所としても知られる。大地獄絵図は狩野山楽の筆でその法量の大きさ、図の精緻さは他に例を見ない。住職による絵解き説法「閻魔のなげき」が適時行われる。(要問い合わせ、団体は要予約)
詳細はこちらDATA
- 天理市柳本町508
- 0743-66-1051
- 9:00~17:00
- 個人
大人…400円
大学生・高校生…350円
中学生…300円
小学生…250円
団体割引(30名以上)
大人…350円
大学生・高校生…300円
中学生…250円
小学生…200円 - 無料(駐車可能台数30台)
最寄り駅からの交通
・JR 近鉄 桜井駅からバス長岳寺前下車 徒歩約10分
・JR 柳本駅から 徒歩20分
・西名阪自動車道天理ICから国道169号を南へ約6km

真:澤 戢三
徒歩 約40分
8
夜都伎神社 やとぎじんじゃ
徒歩 約25分
9
内山永久寺跡 うちやまえいきゅうじあと

永久年間(1113~18)の創建。鳥羽天皇の勅願によると伝わる。鎌倉時代は五町四方の境内に坊舎52、堂宇20を数える大寺院だった。
『太平記』には延元元、建武3(1336)年に後醍醐天皇が吉野に移られる際、ここに一時身を隠したと記されている。
しかし明治の廃仏毀釈によって廃寺となり、伽藍は廃絶、池だけが現在寺域に残されている。
堤の桜は見事で、池畔には芭蕉の句碑が立つ。「うち山やとざましらずの花ざかり」
DATA
- 天理市杣之内町
- 0743-63-1001
- 無し
- 最寄り駅からの交通
JR・近鉄 天理駅からバス「勾田」下車 徒歩25分

徒歩 約15分
10
石上神宮 いそのかみじんぐう
大和屈指の古社。古代豪族物部氏の総氏神で、大和朝廷の武器庫だったとの記録もある。御祭神の布都御魂大神は神剣・韴霊に宿られる霊威。神武天皇がこの神剣によって、東征の際に悩まされた邪神を平らげたと伝えられている。かつては本殿をもたず、地中深く埋められた神剣と神宝を祀っていた。明治初期になって拝殿奥の禁足地の発掘を行ったところ、神剣韴霊をはじめ数々の大刀や鏡、玉類などが出土した。国宝の拝殿は神社建築としては最古のもので白河天皇の御代に宮中から神嘉殿を移築したものと伝えられている。楼門前石段上に建つ摂社出雲建雄神社の拝殿も国宝である。
詳細はこちらDATA
- 天理市布留町384
- 0743-62-0900
- 5:30~17:30
※楼門内での参拝時間 - なし
- 無料
- 無料 200台
- 最寄り駅からの交通
JR・近鉄 天理駅
苣原行きバス「石上神宮前」下車 徒歩7分
こちらもおすすめ!
巡る奈良ー祈りの回廊 2018年春夏版ー
奈良の古道を歩くもぜひご覧ください
地図内の情報や、マーカー表示場所については正しく表示されない場合がありますのでご注意ください。
また、それらによって生じた損害について一般財団法人 奈良県ビジターズビューローは、一切の責任を負いかねます。
「山の辺・飛鳥・橿原・宇陀エリア」のモデルコース